皆さんは日本政府が不名誉な「化石賞」をまた受賞してしまったことをご存じでしょうか?
この「化石賞」は世界の環境NGOが参加する「気候行動ネットワーク(CAN)」がCOP会期中に温暖化対策に後ろ向きな国を選出して贈るものです。日本はこれまでのCOPでも「化石賞」の常連でした。
今回の「化石賞」は日本政府が「石炭火力発電」をすぐに止めようとしない事を理由に贈られています。しかし、日本の石炭発電は石炭ガス化複合発電(IGCC)という従来の石炭発電にくらべてCO2や硫黄硫化物などの発生を抑えたクリーンなものだと日本政府は主張しています。
確かに化石燃料による発電方法は多量のCO2を発生させます。また日本のように資源のない国では船舶で資源を輸入する際にすでにCO2を排出してしまいます。
しかしながら、福島の東京電力第一原子力発電所の事故以降、日本では原子力の再稼働がほとんど進んでいません。そしてクリーンと言われる自然エネルギーだけでは安定した電力が得られないことも事実です。
そのような中、CO2排出を減らした石炭ガス化複合発電(IGCC)やCO2排出が少なめの天然ガスの発電に頼らざる得ないというのが日本の現状です。
「石炭火力発電の世界での全面廃止」を主張しているヨーロッパも2021年は風が安定していない事による風力発電の発電量減少や日照不足による太陽光発電の発電量の減少により、安定した電力を自然エネルギーのみから完全に得ているとは言い難い状況です。
そしてそれを補完する天然ガス発電用の天然ガスをロシアに依存していることによる地政学上の問題、経済安全保障の問題にヨーロッパは今、悩まされています。
日本政府もこのエネルギーの転換点とも言える2021年現在に起きている地政学上の問題も含め、主張すべき所は堂々と主張していいと思います。
先程の「化石賞」を日本政府がCOP26でまたも受賞してしまったという不名誉な事も、ヨーロッパの古い石炭火力発電を念頭に置いた上での主張であるという事も忘れてはいけません。日本が現在使用している石炭ガス化複合発電(IGCC)に対しては必ずしも当てはまりません。そしてこのエネルギー転換の過渡期に橋かけとして、現在の石炭ガス化複合発電(IGCC)を使用する事は間違いではありません。
しかしだからといって自然エネルギーに全く転換しないままでは、未来がないという事も明白なのです。
世界にはどのような自然エネルギーがあるのか、そして、その中のどのような物が現在の日本に向いているのか、などの事をまたの機会にお話ししたいと思います。