時代は「逃げ恥」ではなくて「飛び恥」?

皆さん「飛び恥」という言葉をご存じですか?

「飛び恥」は11月に行われたCOP26でも盛んに使われた言葉で英語で言うとそのままの「flight shame」と表します。

2021年のCOP26の議長国であるイギリスのジョンソン首相とその側近がグラスゴーへの近距離移動をする為に、電車を使わずに飛行機を使った事に対して「COP26の議長国の首相がみずからそのような事をして『flight shame』」だと言われたのです。

それもそのはずで飛行機は電車の15倍(一説では50倍)ものCO2を排出してしまうのです。この言葉には「少しぐらい時間がかかっても環境に配慮して飛行機の使用を控えましょう。今や飛ぶことは恥なのですよ」というメッセージが込められています。

実際にフランスなどでは、もう近距離の国内の飛行便(パリ―ナント間、パリ―ボルドー間、パリ―リヨン間)などは廃止されました。その代わりに時代遅れだと一度はお蔵入りになっていた夜間列車をフランスの人々は喜んで受け入れているようです。

先日のニュースで子供たちと家族で夜行列車を使っていたあるフランス人が「早く着くことよりも、子供の未来を守るために夜行列車を選びます」と言っていたのが印象的でした。そしてフランスの電車の電子切符には、この路線を使う事で1人当たりいくらのCO2が排出されるかまで明記されている徹底ぶりです。

そんな逆風の中、航空機業界も脱炭素に向かって舵を切っています。

SAF(Sustainable Aviation Fuel)と呼ばれる次世代の航空機燃料は従来の燃料に比べCO2を8割削減すると言われています。

IATA(国際航空運送協会)はSAFの割合を現在の1%以下から2050年には65%以上に引き上げるという目標を掲げました。

このSAFはアメリカのユナイテッド航空、ドイツのルフトハンザ航空ではもう定期便で使用され始めています。しかし日本では全日空と日本航空が試験的にSAFを使用するだけにとどまり定期便は出せていません。

全日空の平子社長はCO2をなるべく出さない地産地消の国内製造のSAFを求めていますが、現在日本では開発に乗り出している企業が1社あるのみです。

それは京都のレボインターナショナルという企業で全国2万3000店の店舗から廃食油を回収してSAFの開発をしています。

SAFというのは自動車などのバイオ燃料と比べ、開発するのにも大変な技術が必要です。

しかしそれ以上に社長の越川哲也氏の語るところによると一軒一軒回収するのにかかるコストの問題があると言います。その結果、既存の燃料の3倍以上のコストになってしまうそうです。

より効率的に廃食油を回収し、SAFを製造する企業に安定供給するルート作りと、補助金などによる政府のサポートが不可欠だと感じました。

ただ日本には、一般の家庭でも天ぷらを作って食べるという文化があり、それを「天ぷら油田」と呼ぶNGOがいるほど家庭には廃食油の隠れた資源があります。

これを今のように眠らせたままにせず、リサイクルの輪、それもSAF製造のようにCO2を大幅に減らすサイクルに乗せることが出来れば日本の未来は明るいのではないかと私は思っています。

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