2023年11月にはじまった今回のCOP28でも「気候行動ネットワーク」は岸田首相のスピーチが石炭火力発電を推し進めているのに環境問題解決をうたったグリーンウオッシュだとして「化石賞」をおくりました。
グリーンウオッシュとは偽物の環境保護活動という意味合いの言葉で現在、欧米などで盛んに使われている言葉です。
前回の日本の「化石賞」受賞の時は真に受けた私ですが、今回の「化石賞」には首を傾げてしまいました。
以前にも書きましたが、日本が現在行っている天然ガスの発電と今、アジアに広めようとしている石炭火力発電は非常に燃焼効率の良い発電です。特に石炭火力発電においてはアンモニアを混ぜて、より少ないCO2排出でより効率よくエネルギーを得るものです。
そして、アジアの国々が石炭火力発電に頼らざるを得なくなったのは、ウクライナ侵攻でロシアからの天然ガスが手に入らなくなったドイツなどヨーロッパの国々が世界中の天然ガスを買いあさり、お金の無いアジアの国々が石炭火力発電に頼らざるを得なくなったからです。
そもそもヨーロッパの国々は,以前には天然ガスの発電ですらCO2を出すからあまり良くないと言っていたのです。それが今や天然ガス発電は良いことになり、自分たちの都合で世界の天然ガスを買いあさり、お金の無いアジアの国々が石炭火力発電に頼らざるを得なくなる現状を作りました。
私は今ではヨーロッパの国々は自分に都合のいい、きれいごとばかり言っているように思っています。
パレスチナ問題しかり、アフリカの紛争しかり、その原因の多くを作ったのは、アジア、アフリカを植民地支配し、搾取し続けた欧米の国々です。
環境NGOという、とてもクリーンそうに見える団体のネットワークを使って「化石賞」などという馬鹿げたパフォーマンスをする暇があったら本当の環境問題解決を目指していただきたいと思います。
私たちは有名な環境NGOというだけでその団体がクリーンで本当のことを言っているように思いがちです。
かって私もそうでした。しかし、色々な事を調べていくうちに、世の中、そんな簡単な構図ではないという事が見えてきました。
環境NGOも活動するためにはお金が必要です。お金を出してくれた人の都合のいいように主張します。
また、そのNGOがどこの国の団体かによって、その国独自の考え方や、その国に都合のいい考えが流れています。この「気候行動ネットワーク」の本部はドイツのボンです。やはりヨーロッパの国々にとって都合のいい主張をする傾向があると思います。
しかし、ヨーロッパ人の中にも素晴らしい活動をしている人がいます。有名な覆面アーティストのバンクシーです。
ミサイルの中、塀に囲まれ、どこに逃げることもできない地獄のような日々を送っているパレスチナの人々のためにバンクシーは銃口を向けられながらその壁に作品を描き、イギリス女王のそっくりさんの役者まで使ってアポロジー(ごめんなさい)パーティをその塀の前で開きました。それによって、イスラエルがパレスチナ人の土地を塀で囲い、何処にも逃れなくしたこと、そして、そのキッカケを作ったイギリスの植民地支配を世界に知らしめたのです。
ミサイルの映像など、できたら見たくないと私も思いますが、毎日毎日、ミサイルを撃ち込まれている人のいる世界に私たちは生きているのです。
平和で豊かな世界に暮らす事ができる私たちだからこそ、せめて知ること、覚えておくこと、そこの人たちのことを忘れないこと、出来たら支援することが必要だと思います。