今、世界では人口増加などで36億人もの人が水不足に直面しています。
アフリカなどの発展途上国のみならず、中東などの砂漠地帯、そして豊かな生活を送っていると思われているヨーロッパの国々でさえ水は貴重なものです。
水道をひねれば、きれいな水が沢山出る生活をしている私たちには現実とは思えないことです。
このように日本ほどきれいな水に恵まれた国は世界中見回しても少ないというのが現状です。
しかし、日本の中でも水道のない地域があります。山あいの地域など人口が少なく、水道管を設置するのに莫大な費用が掛かる地域です。
そのような山間部の愛媛県西予市でWATAという東大発のベンチャー企業が画期的な水循環システムの設置を始めました。
それは水道管そのものが不要になる「水循環システム」で、水不足の根本解決になるものです。
そのシステムでは生活排水を捨てずに利用し、フィルターや紫外線などを使うことで、人が飲めるレベルまで水を浄化します。
また、トイレの排せつ物を微生物が食べる仕組みを導入し、トイレの水をまた、トイレに使うシステムも開発しています。
このシステムでは徐々に減っていく水も雨水などで補うので、実質的に新しい「水道水」は必要ではないそうです。
このシステムを導入している愛媛県西予市の山本さんの住宅では、その導入費用の300万円は実証実験として県が負担しています。
それは水道インフラの維持が困難になっている今、その代替え策としてこのシステムが使えるかを検証するためです。
住民の山本さんも最初はこのシステムを完全には信じられなかったといいます。確かに毎日飲む水のことです。慎重になるのもわかります。しかし、それでもなお山本さんがこのシステムを使おうと思ったのには訳があります。今までの山水の維持がとても大変だったからです。
山の険しい道を上り、水源の水の場所の掃除を半日かけてやらなくてはならない日々だったからです。とても大変な作業で、年を取ったらやれなくなってしまうという不安を抱えていたそうです。
また、山本さんは、このシステムがあることでこの山間の地域にも人が戻って来て住んでくれるようになり、ひいては過疎化対策にもなるのではないかとも語っていました。
WATAの越執行役員は「水道補完から水道代替えへと次のフェーズに入りました。全世界に向けて標準化していきます」と力強く語っていました。
現在は中東、南米、ヨーロッパからもWATAに沢山の問い合わせがきているそうです。
「使った水は捨てるもの」という私たちの概念が変わる日もそう遠くないのかもしれません。
世界の水不足の現実を知った今、本当に水を大切にしたいと思いました。
そして、きれいな水を簡単に手に入れられる今の生活にもっと感謝して暮らしていこうと思いました。